県議会議員 濱田大造
9月定例議会質問
県議会議員一期生・ 熊本市 選出の民主党の濱田大造でございます。会派は民主・県民クラブです。多くの皆様のご協力により初当選させていただきました。故郷熊本県のため精一杯頑張る所存ですので何卒よろしくお願いいたします。また、本日は先輩議員にご理解を頂いて、質問をさせて頂く機会を与えて頂いたことに深く感謝申し上げ質問に入らせて頂きます。
1− @
【格差の雇用面からの解消について】
格差の雇用面からの解消についてお尋ねいたします。
本年4月に行われました県議選を経験いたしまして、有権者の皆様から最も多く寄せられたご意見は、県内の雇用に関する要望でした。県内の仕事、働く場所をもっと増やして欲しい、このままでは生活が成り立たない、といった切実なる声が多かったと感じております。
ことし2月に総務省が発表しました格差調査の結果が話題になりました。熊本県は格差を示すジニ係数が0.316で全国で下から4番目の44位。もちろんこの結果がすべてではございませんが、政府が示した一応の格差調査の結果と言えます。ちなみに平成18年度の平均県民所得は全国で38位、県民貯蓄率は42位、大学進学率44位。10月1日施行の県最低賃金620円は全国で下から3番目。熊本労働局が発表しました最新の有効求人倍率は7月で全国平均1.07倍を大きく下回る0.86倍。これは全国で34位の結果となっております。県内の求職者数 32,996 人に対して企業からの求人数は 28,342 人。しかも、有効求人倍率0.86倍の中身をみますと正社員の有効求人倍率はわずか0.40倍でしかない。言い換えるなら県内求人の半分以上はパートを含めた非正規労働の求人という状態であります。
また、本県におきまして平成17年度の常用労働者数は50万8,396人で、このうち約23.9%の12万1,633人がパートタイム労働者数となっております。
「格差」という言葉が頻繁に使われるようになっております。行き過ぎた規制緩和は格差を助長したとも考えられます。私見ではございますが、平成16年3月1日に労働者派遣法が改正・施行されました。それ以降、何が変わったかと申しますと、メーカーいわゆる製造業の工場で派遣社員が働くことが可能になりました。最長で3年間働くことが可能になったわけです。同法の改正後、この国に「期間工」という言葉が定着いたしました。本県でも同法の改正後、労働者派遣事業所の数が飛躍的に増えております。平成18年4月1日時点で派遣業の数は92事業所増え、357事業所と大幅に増えた。大企業に極めて有利な法律ができ、派遣業が儲かる仕組みができたからこそ派遣業の数が増えたわけです。この労働者派遣法の改正後、日本では格差が一層拡がったと言えます。
平成18年度に熊本県に進出した企業はご承知の通り40社と過去最高となっております。そこで質問でございます。潮谷知事はことあるごとに、新規誘致企業40社の話を成果としてお話されております。40社で新規雇用が約2500人あったと言う話でございます。私も何度か知事がこのお話をされているのを拝聴いたしました。しかし、どの部局に問い合わせても2500人の内訳、つまり正規社員と非正規社員の割合を把握しておりません。こんなことでよいのでしょうか?このままでは、熊本県は誘致企業に対しては、1企業に対して最大で20億円の無償の資金提供をはじめとして、法人税の優遇措置、場所の提供、水資源の提供、また、安い人件費の提供と企業にとっては良いこと尽くしのように思えてきます。企業にとっては非常に有利な優しい政策の提供はありますが、県民にとっては厳しい現実があるように思えてきます。とにかく理由の如何を問わず、格差が潮谷県政のもとで全国4位となってしまった。政治は結果責任です。本当に厳しい現実がある。
では、県は、熊本の格差を雇用面からどのように解消していくのか、その具体的対策について、商工観光労働部長のお考えをお聞かせ願いたく。
(答弁)商工観光労働部長
雇用面からの格差解消には、雇用の場を確保することが重要である。そのため、企業誘致に今後とも積極的に取り組むとともに、重点施策の一つである「あらゆる産業の元気づくり」の中で、先端産業の振興、人材育成に取り組み、製造業を中心とした波及効果の高い産業振興を図って参る。次に、非正規社員と正規社員との格差については、非正規雇用者の2割程度が正社員を希望し、中でも若年層でその比率が高いことから、正社員を希望する人が一人でも多く正社員にチャレンジできるよう、職業訓練の実施、ジョブカフェくまもとにおける相談業務の充実等に努めて参る。
ありがとうございました。
民主党は現在、小沢代表の下、企業に対する一定の歯止め策として、クウォーター制の導入つまり非正規従業員の上限を法律で制限する取組みを考えております。際限のない規制緩和は必ずしも良くはないと私達は考えます。是非、熊本県でも条例制定ができないなら、さらに一歩踏み込んだ企業に対する要求・要望をお願いいたします。
1− A
【高校卒業者の高離職率の原因とその具体的対策について】
高校卒業者の高離職率の原因とその具体的対策についてお尋ねいたします。
雇用問題は最も難しいテーマの一つと言えます。また、その範囲は、若年者から中高年、さらに障害者の雇用、またはニート・フリーター問題、出産子育てを終えた女性の雇用問題と実に多くの広がりを見せます。
とても一回の質問で扱えないほど多岐にわたります。そこで若年層の特に高校卒業者の雇用問題についてお聞きします。
私は今回の質問で、各方面の現場を訪れました。県議会議員の仕事・政治家の仕事の本分は、有権者の皆様の生の声を代弁することだと考えるからです。今回、阿蘇の公立高校、県南の公立商業高校・ 熊本市 内の公立の工業高校・そして私立の工業系普通高校・熊本県立大学・水前寺ジョブカフェ・健軍くまもと若者サポートステーションを訪れました。現場で働く先生、職員の皆様から生の声をお聞きすることができたと思います。
現在、熊本県には15歳以上34歳以下でフリーターが約2万8000人、ニートが約5400人にのぼると推計されております。3万3千人を超える若者が定職に付いていないという現実があります。
ではなぜこのような現象が起きるのか?この素朴な疑問が今回の質問の出発点になっております。
平成19年3月卒業の高校生は18,591人。その内5,688人が就職希望。うち、実際に就職先が決まった生徒は5,422人でした。実に就職決定率は95.3%に上ります。この就職決定率は全国で23位でありました。好結果だったと言えます。しかし、3年以内に離職する高校卒業者は平成15年3月卒業生の場合55.9%に達しました。16年度以降は数字は出ておりませんが、実に60%近い高校卒業者が3年以内に離職すると考えられております。熊本県の高校卒業者の離職率は全国平均より最低でも6%高くなっております。高い離職率は結果的にニート・フリーターの増大の一因とも考えられております。
そこで質問でございます。
なぜ熊本県では他県に比べ高校卒業者の離職率が高くなるのか?またその対策として何か具体的な施策はあるのか?教育委員会の取り組みについて教育長にお尋ね申し上げます。
(答弁)教育長
高校生キャリアサポーターの調査によれば、離職の理由として、職場での人間関係が築けなかった、仕事がきつかった、やりたい仕事が見つかったなどが挙げられ、様々な要因があると認識。また、県内企業を対象ととした調査では、就業観や生き方が未熟な若者や、コミュニケーションができない若者の存在も指摘されている。これらの対策として、平成15年度から取り組んでいるインターンシップを、来年度、全県立学校で実施することとしている。また、企業等での実習と学校での講義を組み合わせたデュアルシステムを、先行的に行っている。一方、就業後の企業定着を図ることなどを目標として、ものづくり人材育成プロジェクト事業に取り組む。家庭、地域、企業等との連携のもと、適切な進路指導及び情報提供を行うなど、高校卒業後、社会生活、就業生活への円滑な移行ができるよう取り組んで参る。
ありがとうございました。
1− B
【県労働行政について】
(1) 県内企業の求人案内を早める取組みについて
(2) 誘致企業・県内企業の高校に対する情報発信体制について
各高校の就職担当の先生のお話によれば、一般的に給料が高く福利厚生が充実している会社へ就職した生徒は離職率が低く、そうでない会社へ就職した場合は3年以内に離職する割合が高いとのことです。そもそも、各高校そして生徒が住んでいる地域によって就職条件は大きく異なります。県内の高卒の初任給は、昨年、従業員10人以上の事業所で13万9400円となっております。例えば、県南に位置する高校生が親元を離れ、 熊本市 内の企業に就職した場合、その初任給から家賃、光熱費、食費を払い、もちろん税金も支払う。すると手元にほとんど残らなくなります。地元資本の企業で福利厚生が充実している企業はそんなに多くはございません。ですから親元を離れた多くの高校生が予想以上に厳しい社会人生活をスタートすることになる。親元を離れた高校生からしてみれば、給料が手元にわずかしか残らないくらいなら、会社を辞めて地元に帰って、親元でフリーターをやったほうが良い、フリーターの方が割が良い、といった状況があるようにも考えられます。熊本県の高校卒業者の高い離職率の裏側にはこんな事情も隠されております。
また、来春卒業予定で就職を希望する高校生に対する求人倍率は今年7月末時点で全国平均は1.29倍でした。これは5年連続の改善となりました。ただ、地域格差は色濃くなっており、東京都の求人倍率がなんと4.89倍、愛知県が2.71倍、そして熊本県はわずか0.43倍でありました。熊本県では 4,993 人の求職者に対し、県内企業からの求人は 2,123 人でした。これがこの7月の状況です。
そもそも、県内企業だけではすべての高校卒業者の就職先を確保できない雇用環境があります。
ですから、県内雇用環境を改善するためには、県外の大手資本の協力を得ることが必要とも言えます。残念ながら、現状では、地元県内資本だけでは、県内若年層の雇用問題に内在する問題を解決できない環境があります。
では、誘致企業の実力はどのくらいに上るかと申しますと、予想以上に熊本経済に影響力が高いことが伺えます。
県内製造業の製造品総出荷額は平成17年度で2兆6,208億円に上ります。県内に製造業の事業所は2,631箇所ございますが、そのうち誘致企業が9.8%にあたる257箇所ございます。しかし、全体のわずか9.8%にあたる257箇所の誘致企業だけで、製造品出荷額の62.1%にあたる1兆6,266億円を製造しております。また、県内製造業の従業員数は96,141人おりますが、この内43.1%にあたる41,471人が誘致企業で働いております。いかに誘致企業つまり県外大資本の影響力が高いかが数字の上からも理解できます。
ちなみに本田技研をはじめとする誘致企業60社が集積する 大津町 は、県内唯一の地方交付税不交付団体となっております。平成16年度では 大津町 の町民所得は一人当たり484万2000円となっており県平均の236万5000円の約2倍となっております。
県内高校生の就職状況に戻ります。
現在、県内では高校生の場合、毎年7月1日が就職解禁日となっております。高校サイドと企業サイドの就職協定が守られている。7月1日以降、熊本労働局管理下の職業安定所経由で企業からの求人情報が各高校に降りてきます。各高校はその求人情報をもとに就職希望の生徒に対して、就職面談を行う。そして、9月5日に各高校は一斉に各企業に対して履歴書を送付します。企業は、9月16日に一斉に就職試験・面接を行う。人気企業の入社試験は、事実上、これが最初で最後となります。各高校で状況は大きく異なりますが、9月の募集で約8割の生徒の就職先が決定する高校がある一方で、3割の生徒しか就職先が決まらない高校もあります。9月時点で就職先が決まらなかった生徒は、卒業まで順次就職先を決めていきます。
今回訪問した高校の進路指導の先生にお聞きしたところ、生徒に説明できる誘致企業情報・県内企業情報が少ないとのことです。
どういうことかと申しますと、各高校へ7月1日以降約1ヶ月間に、求人案内が県外企業だけで500件〜800件寄せられております。県内企業も併せると、多い高校で1000社にのぼる企業情報が寄せられます。就職指導を担当する先生は小規模校で2〜3人、一般的には5〜6人しかいません。もちろん、各高校で生徒の進路指導に携わるのは、担任の先生を中心に、学科の主任・副担任及び進路指導部の教職員が側面から支援することになっています。しかし、その就職指導の先生が、生徒に企業説明を十分にできているかと言えば、限界があります。企業から送られてくる1000件分の会社案内・求人案内を読んでもよく判らない、どうしてもわからない部分がある。だから、先生が生徒に「良い会社だ」と言える企業は自ずと限定されてしまいます。一般的には、先生が生徒に自信を持って紹介できる企業とは、社名が通っている大企業、または先生が企業開拓等で訪問した会社、もしくは卒業生が実際に就職した会社に限定されてしまう、とのことです。
これはもっともな話だと言えます。高校の就職担当の先生は、日常は普通の先生です。それぞれの教科を教えている。就職担当になったとしても、どんなに頑張っても、全部の企業の情報は入りにくい状況にあります。まして、先生としての仕事も兼務しての話でございます。
皆さん想像してみてください。仕事が終わって、7月からの1ヶ月の間に、1000社に上る企業案内に目を通すことが、いかに大変なことか。まして、インターネットで企業情報を検索する時間などほとんどないというのが現場の声です。
現場の要望は、以下の2点に集約されるように思います。
第一点:7月1日の学校での求人案内受理以降9月の企業面接までに寄せられる求人案内は、高校によっては約9割が県外企業からのもの。県内企業からの求人が遅れる傾向にある。県内就職先を希望する生徒が多い中、県内企業の求人案内を早めて欲しい。
第二点:就職指導の先生が企業を知る機会をもっと作って欲しい。例えば、県内誘致企業、昨年の誘致企業は40社ということは知っているが、どんな企業なのか、現場はよく判らない部分がある。情報は基本的に職業安定所経由の求人案内だけであり、どんな企業が県内に誘致され、信頼するに値する企業なのか?または、将来性ある県内企業の動向はどうなっているのか?そういった情報をもっと判りやすくして欲しい。
そこで質問でございます。商工観光労働部長にお尋ね致します。労働局との二重行政にならないよう配慮しつつ、県が独自で出来ること。高校生の就職解禁日以降の県内企業の求人案内を早める取組みはどのようにしているのか?優れた技術を持った誘致企業または県内企業の情報を、各高校へ浸透させる環境・スキーム作りを行う予定はあるのか?この2点をお聞きします。
(答弁)商工観光労働部長
県外大手企業が、早期に採用計画を策定し求人に積極的であるのに対し、県内企業、特に中小企業は、景気回復の効果が十分に及んでおらず、早期求人に慎重になっているのではないか。そのような状況の下、熊本労働局長、県教育長、商工観光労働部長等の連名で、県内経済4団体に対し、県内企業の求人時期を早めてもらう要請を行った。
既に、くまもとテクノ産業財団等のホームページから、各企業の情報が入手可能。また、今年度から、熊本県異業種交流協議会が、県内製造業の情報発信力の向上や生徒と企業との雇用のマッチングを進めている。今後とも、各種経済団体、企業等と連携し、県内企業の情報が高校等に的確に伝わるように努めて参る。
ありがとうございます。
これまで労働・雇用問題は、国・県が役割を分担しながら行って参りました。私が指摘しました斯様な問題は、国の出先機関である熊本労働局・職業安定所、そして熊本県も見落としがちなところでございます。離職率を下げるためにも、よりよい情報、迅速なる情報を各高校サイドに提供できるスキーム作りに取り組んで頂きたく。いっそのこと、県内誘致企業または将来性ある県内地場の企業情報を管理し、情報発信できる新しい体制作り、担当部署の創設をお願いします。
1− C
【フリーター及びニート対策について】
(1) ジョブカフェの今後の運営方針について
(2) ジョブカフェ及びくまもと若者サポートステーションについて
次に、主にフリーター対策として設置された「ジョブカフェ」およびニート対策として設置された「くまもと若者サポートステーション」に関してです。
県内には、フリーターの若者が先に述べましたように約2万8千人いると推計されております。水前寺ジョブカフェは、概ね30歳以下の若年者雇用対策、特にフリーター対策として平成16年7月に設置され、すでに3年が経ちます。この3年間で累計50,062人が利用。本年度4月〜7月だけ見ても、5,107名が利用し、実際に145名の就職決定がなされております。利用実績はかなり上がっているように感じます。運営は(財)熊本県雇用環境整備協会、熊本労働局、熊本県、独立行政法人・雇用能力開発機構の関係機関が協力して行っております。
次に、主にニート対策として設置された「くまもと若者サポートステーション」に関してです。くまもと若者サポートステーションは、厚生労働省が NPO 法人「おーさぁ」に業務委託して運営されております。設置は平成19年5月24日。8月14日までの事業実績としては・電話相談55件(延べ件数)・面談人数203件(延べ件数)・セミナー参加人数316人(延べ件数)。そして進路決定者13件(就職・職業訓練など)となっております。県の担当部署は労働雇用総室となっています。
現場からお聞きした話で興味深かったことは、「ニート」の約7割が以前に就労体験があること。何かしらの事情で引きこもり状態に陥るケースが多いこと。対人関係がうまくとれない、コミュニケーションがとれない、病気のケースもあります。ニートといってもそれぞれのケースがあり非常に複雑であること。コミュニケーションから始めなくてはならないケースが多いため、根気が必要なこと。そしてなにより人手がたりないこと。そういった状況が現場を訪れ理解できたように思います。
そして、サポートステーションの最終的な目的は、ニートと呼ばれる若者が、職に就けるようになることです。
とにかく、社会のありようが非常に複雑になっております。その波に乗れない若者が予想以上に多く存在している。それにどう対処して行くか?「くまもと若者サポートステーション」は、行政と NPO 法人が一体となってニート問題に取り組む。その初めての試みです。まだ設立されて日が浅く今後の活動の動向を温かく見守る必要があると考えます。
現場を見に行きまして、また職員の皆様のお話をお聞きすると様々な問題点が見えてまいりました。
そこで質問です。
ジョブカフェの場合、ジョブカフェの存在自体を未だ知らない若者も多く居ます。そもそも、2万8千人いると推計されるフリーターに対してどこまで県は対応を考えているのか?若年層の安定した就職先確保は、最優先で行うべき施策の一つでありますが、今後どのような方針のもと、ジョブカフェを運営していくのか?
次に、県内では、ジョブカフェ、そして くまもと若者サポートステーションともに 熊本市 内の一箇所にとどまりますが、 熊本市 内在住者に極めて有利な状況下にあるように感じます。この不公平感を県はどのように捉えているのか?その対策について商工観光労働部長にお聞き致します。
(答弁)商工観光労働部長
フリーターの年長化や早期離職率の高さなどの厳しい実態もあり、国や関係機関と十分な連携を図り、サービスの充実に努めて参る。広報については、ジョブカフェが学校現場に出向いて実施しているセミナーなどの受講者に対し、ジョブカフェの利用を呼びかけているが、一層効果的な広報に取りくんで参る。
ジョブカフェについては、チャレンジホットラインという専用の電話を設け、就職相談に対応している。また、出張相談や出張セミナーを実施しているが、今後は、移動ジョブカフェの実施可能性についても検討していく。また、くまもと若者サポートステーションについても、電話相談を受けている。新たなニーズの把握や支援メニューの開発等に取り組んでおり、広範な地域へのサービス方策について、運営主体であるNPO法人と協働して検討して参る。
ありがとうございました。
1− D
【雇用問題における市町村との連携について】
雇用問題における市町村との連携についてお尋ね致します。
熊本県の労働行政を考察した場合、役割分担としてその8割から9割を国が果たし、そして残りの1割から2割を熊本県が行うという仕組みがあるように思います。国の機関としては厚生労働省があり、その下に労働局があり職業安定所がある。一方、県には労働雇用総室という部署がある。では、雇用問題を考えるに際して、熊本県の果たす役割はどこにあるのか?そこの部分が、いまのところ実に見えにくい状態・行政があると感じます。
景気が回復したと言われても地方での雇用環境は依然厳しい状況があります。これまでは労働・雇用問題は基本的に国に任せておけば済んだのかもしれません。しかし、これからは、ますます熊本県の独自の考え、地方としての雇用問題への取組み、そして県としての力量・行政手腕が問われる時代だと考えます。
熊本県には現在48の市町村があります。しかし市町村の中で、労働・雇用問題を担当する部局を持っている市町村はほとんどありません。雇用環境が複雑化する現在、県内でもその地域・地域によって雇用問題に対する認識、要望は違ってきます。各地に存在する多様な雇用問題に柔軟に対応することが、望まれる状況下にあると言えます。また、雇用問題に 関して、県と市 町村との連携のあり方、情報の共有化が今後ますます求められてくると考えます。
そこで質問です。
熊本県は、48市町村とともに、どのような方針のもと、雇用問題に取り組んで行くのか、このことについて商工観光労働部長にお聞き致します。
(答弁)商工観光労働部長
市町村においては、雇用に関して専門部署を設置しているところは少ないが、産業振興に係る雇用開発、障害者の雇用促進、母子家庭への雇用支援、シルバー人材センターへの支援等を実施。県では、広域的な視点から、市町村等が協議会を作って実施する地域特性に応じた雇用創出の取り組みを支援している。地域雇用対策推進員が市町村を訪問し、雇用に関する情報の収集、提供を行っている。地域ニーズに合った雇用が創出されるよう、市町村と連携をして取り組みを進めるとともに、市町村との情報の共有化に努めて参る。
【県・執行部・職員の皆様に対する要望】
最後になりましたが、以下は県・執行部・職員の皆様に対する要望でございます。
今回、県内の雇用問題を考えてみまして、結局のところ、この国がどこへ行こうとしているのか?という話にたどり着くように思えてきます。
例えば、自由競争、市場主義経済路線で行くのか?もしくは福祉国家路線で行くのか?または、これまでのように中央集権的な行政システムを維持していくのか?もしくは財源も地方に大幅に移譲し、本当の地方分権を推し進めるのか?その大前提がこの国では曖昧なままです。地方政治をはじめてまだ数ヶ月しか経っていませんが、地方政治の現場は、国の定まらない方針の下で翻弄され続けているように思われます。掛け声だけの地方分権がある。
ご承知の通り、国はとてつもないくらいの尋常ではない借金をして参りました。国と地方併せて1000兆円を超える借金。これは政官業の癒着はもとより、肥大化した行政サービスもその要因として考えられます。
どこの国の国民も「税金は安いにこしたことはない」と考えます。しかし、その対価としての行政サービスは多くを望む。「あれもこれもして欲しい」との要求。
例えば、フリーター・ニートの問題を考えただけでも、この国に『大前提』がないまま、場当たり的な対処療法に近い行政が熊本県にもあるように思えてきます。フリーター・ニートは県内に推計で3万3千人以上いる。それなのに、それに対応する行政機関としては【水前寺ジョブカフェ】と【くまもと若者サポートステーション】の一箇所ずつしかない。国がやれと言ったからそれに従うという行政がある。
自由競争・市場主義経済で行くのなら、理由の如何を問わず、フリーター・ニートの若者は、それは個人の自由となります。お金持ちになるのも自由。貧しくなるのも自由。ニート・フリーターになるのも自由。職業選択の自由がある。国家・行政が個人の自由に介入する余地はなくなる。介入するなら行政の肥大化の一因にもなる。
しかし、日本が将来、福祉国家を選択するなら状況は一変します。国家・行政は個人の救済に重点を置く政策を採る。しかし、福祉国家を選択するということは、税金が北欧諸国のようにすこぶる高くなることを意味します。
日本という国は、この立場が非常に曖昧でございます。政策としては、両者の良いとこ取りを行っている。
熊本県の自主財源は34%しかありません。戦後、日本は久しく3割自治とか4割自治といわれ続けました。残りの予算の大半が、使用目的を国から制限された予算のため、自由が利かない・・・。県の職員はその多くの政策を国の縛りの下で行っている。そんな状態が見えて参ります。
熊本県は、雇用労働行政に関しても、限られた厳しい財政事情の中で、実に幅広い政策の実行を求められております。
だからこそ「政策の選択と集中」そして「県独自の考え」「各部署の情報の共有化」が今以上に必要になると考えております。
根底に流れるは県をよりよくして行こうという「 political will 」「政治的意思」だと思います。それには多くの皆様のご協力が不可欠となります。
微力ではございますが、これからも熊本県の発展のために皆様とともに努力して参りますので、今後ともよろしくお願いいたします。以上で私からの初質問と致します。ご清聴ありがとうございました。
以上
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【初質問を終えての感想】
人間の言葉には魂が宿るときがある。「臨場感」こそ大切。人は皆、その立場、境遇で日々闘っており、濱田の闘う場所は議会。ゆえに、それにすべてをぶつける。
県議となり初質問に至るまで7年も掛かった。一度落選し、二回目でようやく本当にようやくこの場所に立たせて頂いた。そういった意味では、濱田は並の人間と言える。世あたりもそんなに上手くはないし、人におべっかを言うのも嫌な人間。しかし、正面突破こそこの時代に必要と思う。
世の中は、そんなに捨てたものじゃなくて、こんな自分でも世の中が拾ってくれたと思う。
今回の質問が完成したのは、もちろん濱田一人の力ではない。多くの県職員の皆様のご協力、関係機関の皆様のご協力があった。何度も何度も真剣に議論し、様々なことを一緒に考えることができたのかもしれない。また、多くのアドバイスも頂戴した。
そして、この場この機会を与えてくださった熊本県民の皆様に、ただただ感謝の気持ちがこみ上げてくる。
この地道で単調な繰り返しが仕事の本分と言える。そんなことを想った。
追伸:
お忙しい中、お越しくださった支持者の皆様、また、ご尽力頂いた関係者の皆様に重ねて御礼を申し上げます。
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